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ウィリアム・イングドール 「完全支配」



ウィリアム・イングドール 「完全支配」シリーズ・全3巻のご案内

かつてヘンリー・キッシンジャーは、「石油を支配する者は、諸国を支配する。食糧を支配する者は、人口を支配する。マネーを支配する者は全世界を支配する」と語りました。その石油・食糧・金融の3テーマに沿って書かれた三部作です。英米アングロサクソン)支配層の視点を軸に、三つの角度から描かれた現代世界の全体像と言ってもよいかと思います。

このシリーズは、過去1世紀の世界規模の戦争の歴史を学ぶ上でも、「新世界秩序」へと向かう現在の世界情勢を理解する上でも、体系的な情報を得ることのできる優れた内容であり、ぜひとも日本語化をとご提案したところ、徳間書店の石井編集長にご理解いただき、この貴重な出版が実現する運びとなりました。このシリーズは、私としても自信をもってお勧めできる内容です。(訳者:為清勝彦)








Vol

内容・原書タイトル

邦訳刊行
徳間書店

詳細情報



第1巻

ジオポリティックス(石油・戦争)編
石油をめぐる過去1世紀の戦争の歴史
A Century of War

2010年9月刊


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第2巻

アグリスーティカル(食糧・医薬)編
遺伝子組み換え・ワクチンによる人口調節
Seeds of Destruction

  • The Hidden Agenda of Genetic Manipulation

2010年4月刊


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第3巻

マネートラスト(金融・詐欺)編
アメリカ金融覇権の興亡
Gods of Money

  • Wall Street and the Death of the American Century

NEW!
2011年2月刊


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著者ウィリアム・イングドール・プロフィール

完全支配 第1巻 ジオポリティックス(石油・戦争)編










2010年9月刊行(徳間書店


英語版。中国語版は20万部のベストセラー。


戦争は何故起きるのか?という素朴な疑問は、誰しも一度は抱いたことがあるでしょうが、いつしか疑問を感じない「大人」になってしまうように思います。この第1巻は、まさにその疑問に答えてくれる本です。原始時代や領土の奪い合いをしていた専制政治の時代はともかく、ほとんどの国が民主主義という看板を掲げている今日においても尚、戦争が続くのは何故か? その答は、他の人間を犠牲にしてでも、自分たちの利益を確保したいと考えている人々が存在することにあります。つまり戦争も恐慌も、人為的に故意に発生していることが、この本では歴史的事実に基づいて解説してあります。

この第1巻を読むと、近現代の世界史の流れが英米支配層を軸にすっきりと理解でき、米国の破綻が予測される今日の世界で起きていることを分析する視点も得られると思います。イングドール氏自身が、ドイツの若い世代に読んでもらいたいとの思いを込めて書いていますが、第二次大戦でドイツと似た運命を辿った日本の若い世代にも是非とも読んでほしい内容です。

第1巻に記載されている内容のアウトラインとなる年表です。


表題からは石油資源をめぐる戦争という意味に思えるでしょうが、過去1世紀の戦争の歴史を、単なる石油争奪戦ではなく、より大局的な「地政学」(バランス・オブ・パワー)の観点から記述した本です。

「漁夫の利」という故事成語がありますが、それをイギリスの戦略用語で言うと、「バランス・オブ・パワー」とか「地政学(ジオポリティックス)」になります。英米支配層は、「自由主義」とか「民主主義」という飾り文句は使いますが、政治思想的に何が正しいかとか、道義的に何が正しいかとかということには究極的には関心がなく、自らが支配パワーを握りたい(失いたくない)だけの「現実主義」です。そのためには、武器の売上もさることながら、単純に世界中の人々が互いに戦い合い、疲弊し、相対的に弱体化することを願っているわけです。

この理屈抜きの現実主義に対抗するには、何が正しいかという議論は無力です。どんな理由であれ、人々が感情的に対立し、戦争になったのでは、まさに術中にはまったことになります。とにかく争わないこと、戦争に協力しないことが大事です。

そんなことが理解できる本だと思っております。この本に記述された歴史認識が普及することで、日本が二度と英米支配層の策略に乗せられ、戦争に巻き込まれないことを願います。中国ではベストセラーになっていますが、日中でこの歴史を共有することが今まさに重要なタイミングではないかと思います。

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ロックフェラーの完全支配
ジオポリティックス(石油・戦争)編


完全支配 第2巻 アグリスーティカル(食糧・医薬)編

1920年代の米国に起源を持つ優生学は、ナチス・ドイツを経由し、戦後「遺伝子工学」と名を変えて現在に受け継がれています。その「人種浄化」あるいは「人口削減」の計画が根底に流れる中、石油化学軍需産業から発達した農薬・医薬ビジネス、1970年代に米国の戦略として確立した世界の食糧支配(グローバル企業のアグリビジネス)が、見事なシナジー効果を発揮し、今日「アグリスーティカル」と呼ばれる複合ビジネスに融合。遺伝子組み換えワクチンは、その象徴的な製品です。本書は、そうした過去1世紀の大きな流れを描いたものです。










2010年4月刊行(徳間書店


英語版。8ヶ国語に翻訳されている。


日本語版の刊行に当たり、2009年・豚インフルエンザの章(第15章)が新たに加筆されています。邦訳によりページ数が予想以上に膨らみ555ページになっていますが、そのボリュームの割には低めの価格設定で徳間書店より提供いただいてます。各章ごとの主なテーマとトピックスは以下の通りです。

第1章 政府と業界の癒着
レーガン-ブッシュ政権の「規制緩和」でGM(遺伝子組み換え)食品も規制せず。
•牛のコカインといわれるrBGH(牛成長ホルモン)で一時的に搾乳量は激増したが、その結果は・・・
•政府(監督官庁)の要職とアグリビジネス企業の重役を往来する「回転ドア」人事。

第2章 企業に屈した「科学」
スコットランドのプースタイ博士は「私は食べない」とテレビで正直に言ってしまった。
モンサントからクリントン米大統領への電話一本で、ブレア英首相が研究所に圧力をかけるという国際連携プレー。
•営利主義に奉仕する英国王立協会などのエセ科学

第3〜4章 1970年代というターニングポイント
•都合よく発生した1973年の石油危機と食糧危機。
•米国の世界食糧支配戦略を打ち立てたキッシンジャーのNSSM200。

第5章 1920年代のアメリカに起源を持つ優生学
•ロックフェラー直営のモルモット島プエルトリコの驚異的な不妊手術率
•ロックフェラーが優生学を推進し、ナチス優生学研究に資金提供した。
•「家族計画」という「自発的選択」で人類を間引く。

第6章 第二次大戦の終了で「隠れ優生学」に
•「アメリカの世紀」に向けて準備するニューヨークCFR(外交評議会)。
•ネルソン・ロックフェラーのラテンアメリカ冒険。南米は、ロックフェラー家の「家庭菜園」

第7章 ハーバード大学で発明された「アグリビジネス
•インドなどで実施された「緑の革命」は、農業の石油化学漬けのことだった。
アメリカの監禁給餌方式(ファクトリーファーム)畜産の有害廃棄物。

第8章 遺伝子学とゴールデンライス
•戦後、遺伝子学に名前を変えた優生学
•24億人の主食、コメを狙え!
•アジアで「保護のため預った」種子を特許登録して独占。

第9章 多様な作物を栽培する伝統農業を失ったアルゼンチン
GM大豆実験のモルモット国になったアルゼンチン。
•「生活にプロテインを」

第10章 イラクの民営化=国家処分セール
•ブッシュが植えた民主主義の種は、GM植物の種だった。
•多国籍GM種子企業の餌食になったイラク
IMFの残忍なイラク支配。

第11章 GMO黙示録の四騎手
•爆薬・枯葉剤メーカー・不法投棄などGMO企業の華麗なる経歴。
GM食品の自由貿易を強制する世界の警察官WTO
•安全性についてはGM企業に「自己監視」させるFDA
•アフリカのインチキ・ワンダーポテトの看板女。

第12章 モンサントをたしなめたロックフェラー財団
ターミネーター種子、トレイター技術。
モンサントに一歩退却を指示したロックフェラー財団
•メキシコに殺精子コーン?
•WHOが推進した破傷風毒素入り秘密中絶ワクチン。

第13章 鳥インフルエンザ
ラムズフェルドタミフル・コネクション。
•大規模ファクトリーファームは「安全」であると、家族経営の養鶏を駆逐。
•タイミングよく鳥インフルエンザ耐性のGMチキンを開発して用意していた!

第14章 動物まで「特許」化
穀物だけでなく、果物・野菜、豚の精子まで「特許」化する貪欲な企業。
•危ぶまれる南米の生物多様性

第15章 豚インフルエンザワクチン
アグリビジネス食品と医薬品が融合してアグリスーティカルに。
•WHOの空想シナリオ通りにパンデミック発生。
ビル・ゲイツも参加したマンハッタンの「グッドクラブ」
•メキシコのファクトリーファームの養豚場と感染発生。
GMOワクチンは過去1世紀の優生学テクノロジーの結晶。
•ナノ粒子の殺人作用。
•製薬会社の甘い汁は、危険なカクテル。


安全な食品と健康を求める人すべてに、そして医療関係、農業・畜産業の方に読んでいただきたいと思っています。以下は、この本のダイジェスト版・最新情報の捕捉となる記事です。

ビル・ゲイツ「ワクチンは人口削減が目的」と語る(2010年3月)

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ダイエットにも効果的

この本を読むと、「遺伝子組み換え食品を気にするなんて神経質過ぎる」とか、「少しなら大丈夫」などと呑気でいられないことが分かってもらえると思います。遺伝子組み換え食品は、「異性化糖」(ブドウ糖果糖、ハイフルクトースコーンシロップ、液糖など様々な呼称あり)という形で、大半の加工食品に入っています。やはり遺伝子組み換え材料を使っていることが多いサラダ油(植物油)と並んで、肥満の原因の双璧になっています(参考:「異性化糖」という艶かしい名前の添加物)。ダイエットの秘訣は、運動でも食事量の制限でもカロリー計算でもなく、危険な食品を避けることです。糖尿病の予防・治療にもなります。天然・安全な糖と油を選び、野菜・果物を中心とした食事で、満腹になるまで食べましょう。私はこの本をきっかけに危険な食品を避けたとこと、結果的にダイエットに成功しました(一年少しで約40kg減、BMI標準に到達)。

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ロックフェラーの完全支配
アグリスーティカル(食糧・医薬)編


完全支配 第3巻 アメリカ金融覇権の興亡

人類がマネーの奴隷になる時代は終わりだ。
これからはマネーが人類に仕えるのだ。(リンカーン)











2011年2月刊(徳間書店


英語版Gods of Money。


リンカーンケネディ暗殺、二つの世界大戦に米国民を煽動(真珠湾)、原爆投下と冷戦プロパガンダなど、手段を選ぶことなく前代未聞の権力を手に入れたアメリカ寡頭エリート「マネーの神々」の物語。

1913年に米国の中央銀行を私物化しようとした金融資本(モルガンやロックフェラー)のことを、米国議会のチャールズ・リンドバーグ議員(有名な飛行士のリンドバーグの父)が批判の意味を込めて「マネー・トラスト」と呼びました。

(注目のトピックス)

● 1910年11月、米国金融界の有力者は、専用列車でモルガンが所有するジキル島に向かっていた。もし見つかったら、「カモ狩りを楽しんでいた」ことにしようと示し合わせていた。(連邦準備制度の構想を練った秘密会合)

● 戦争さえ長引けば、英ポンドではなく米ドルが世界の決済通貨になる。(JPモルガンの共同経営者トーマス・ラモントの1915年の演説)

● 民主主義社会では、エリートが望むように民衆が行動するのは期待できない。だから、感情に訴えて操作する必要がある。(第一次世界大戦の政治宣伝を研究したシカゴ大学のハロルド・ラズウェル)

● 第二次大戦前のアメリカのマネートラストには、世界最強の軍隊に「保証」された金融世界帝国をつくる構想があった。

● ドイツ内の反ヒトラー勢力が政権を取れば、破滅的な戦争を回避してしまい、欧州に経済大国が出現してしまうことをチャーチルは懸念していた。(反ドイツだったチャーチルヒトラーを潰さなかった理由)

● 日本の真珠湾攻撃9・11のちょうど60年前)は、F・D・ルーズベルトが挑発していたことが後に公開された文書で明らかになった。その目的は、ドイツとの戦争にアメリカ国民を煽動することだった。

● 原爆投下は、世界に対し「アメリカの世紀」の到来を告げることが目的だった。戦後のドル帝国(アメリカが決めたルールに基づくアメリカの秩序)を築くためのシンボルだった。

● 戦後間もなく、世界中がFRSの紙切れをまるで「金」のように有り難がることに気付いたマネートラストは、紙のドルを世界に垂れ流し続けることにした。

ケネディの暗殺後、大統領命令11110(政府発行の紙幣)の存在自体が国民には隠され、多くの歴史家も触れなくなった。

● (1970年代より)対米輸出で余剰ドルを抱える国(日・独など)は、米国債に投資するしかなくなった。そして世界の工業国は「最後の頼みの綱」として米国向け輸出に依存するという倒錯が生まれた。

● ブラック・ショールズ理論などノーベル経済学賞で権威付けられた「金融経済学」とは、無制限な投機を意味する言葉に過ぎず、必然的にバブルを生み出しては破裂させるだけの学問だった。

グリーンスパンの18年間の任期中の仕事は、勢いを強めながら連続発生する危機により金融市場を圧延(ローラー)し、マネートラストの目標(世界の金融への影響力を拡張すること)を達成することだった。

● 現代の金融システムは、必然的に、常に新しく常に前よりも大きな金融バブルを作らなければ存続できず、生成されたバブルは当然ながら破裂する以外にない。(1980年代のS&L危機のときに金融監督官をしていたウィリアム・ブラックの指摘)

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ロックフェラーの完全支配
マネートラスト(金融・詐欺)編


ペンタゴン 戦慄の完全支配

「今日我々が行っていることの多くは、
25年前ならばCIAが隠密活動でやっていたことだ」
アレン・ワインシュタイン
(NED=全米民主主義基金の設立者、1991年)


アメリカの権力層は、実はロシアに対する先制核攻撃を計画していると思う」
リチャード・クック
NASA勤務の連邦政府アナリスト、2007年)











ペンタゴン 戦慄の完全支配
核兵器と謀略的民主化で実現する新世界秩序
2011年10月刊(徳間書店


英語版"Full Spectrum Dominance:
Totalitarian Democracy in the New World Order"
(完全支配:新世界秩序における全体主義的民主主義)


原題の「フル・スペクトラム・ドミナンス」とは、陸、海、空、宇宙、さらにはサイバー・スペース(コンピュータのネットワークが作り出す仮想空間)まで、あらゆる場所、あらゆるものを「何でもかんでも支配する」という分かり易いペンタゴンの戦略である。

本書は、おおむね冷戦後の過去20年程度を対象とし、一見すると複雑怪奇で相互に関係のない偶発現象に思える世界各地の諸々の事件や紛争の背後には、あまりにも単純であるために理解し難い米国の狂気の世界支配戦略があることを浮き彫りにしている。大きく次の二つのテーマについて述べてある。

一つは、冷戦により、世界の大部分が終わったと思っていた米ソの核戦力の開発競争であるが、ペンタゴンにとっては決して終わっていなかったというハードパワーとしての軍事力の話である。ペンタゴンの奥まった事務室に隠遁して世界支配戦略を練る90歳の策士アンドリュー・マーシャル(映画スターウォーズの「ヨーダ」が愛称)のことにも触れている。

もう一つのテーマはソフトパワーとしての軍事力である。ウクライナなど旧ソ連圏で発生したカラー革命から最近のエジプトの「民主革命」にいたるまで、世界各地で「自発的に発生した」と思われている「民主革命」は、実はペンタゴンが操る「非政府組織(NGO)」の人権団体、民主主義団体が行なっている政権交代の工作だったという話である。現在、ウォール街に始まり、全米、さらに豪州にも飛び火しつつある抗議運動をオーガナイズしている組織は何なのか、こうした抗議運動の本当の狙いは何なのかを知る上でも重要な手がかりとなるだろう。チベットの人権運動、ダライ・ラマナチス、米国との関係にも触れている。

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ペンタゴン 戦慄の完全支配
核兵器と謀略的民主化で実現する新世界秩序


著者F・ウィリアム・イングドール(F. William Engdahl) プロフィール

1944年8月9日、米国ミネソタ州ミネアポリス生まれ。戦略リスク管理コンサルタント、著述業、講師。

1970年代のオイルショック穀物危機を契機として30年以上、石油の地政学などエネルギー問題、農業問題、国際貿易・金融(GATT、WTOIMF)など政治・経済について幅広く著述活動を行い、石油ピークの虚偽を暴くなど、独自の分析力で世界支配の構図を鋭く解明している。

Gods of Moneyについて語っているビデオ

ラインマイン大学(ドイツ)経済学講師、北京化工大学客員教授。世界各地で数々な国際会議にメインスピーカーとして参加している。

米国プリンストン大学政治学科卒業、ストックホルム大学・大学院で比較経済学を研究。ニューヨーク、後にヨーロッパに移転し、独立系の経済学者、調査ジャーナリストとして活動している。

現在、妻とドイツに在住。幼少時に受けた天然痘ワクチンの後遺症と思われる障害で、両足に麻痺が生涯残る。この自身の経験から、医学への関心はライフワークとなり、第2巻のテーマの研究にもつながっている。

著者ホームページ http://www.engdahl.oilgeopolitics.net/

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