■12Vのバッテリーを使う前提でのソーラーパネルは?
『150W/18V』程度のものが良いでしょう
これ以上大きなパネルになると『200W/36V』といったものになってしまうので12Vのシステムには向きません。
『180W/18V』程度のソーラーパネルも見かけますね。
100Wの物でも良いのですが枚数が増えてしまいます。
この『150W/18V』クラスのパネルを4枚揃えれば600Wの出力を確保できます。
■600Wのソーラーパネルを使う前提でチャージコントローラーを選ぶ
余裕を持たせて50Aの入力に対応した物が良いでしょう。
合計600Wで出力が18Vのソーラーパネルとなると、MAXで33.3Aもの電流を発生させます。
600W/18V=33.3A
P=IE(電力W=電流A×電圧V)
I=P/E(電流A=電力W÷電圧V)
33.3Aの電流というと、30A契約の一般の家庭ではブレーカー(漏電遮断機)が降りてしまうほどの電流です。
ギリギリの物を使うよりは、余裕を持たせた機器を使うのが懸命と考えます。
50Aのチャージコントローラーでは、900W(理論値)までのソーラーパネルが使えるということです。
ここで15%のマージンを考慮すると、
900W×(1-0.15)=765W
までのソーラーパネルが使えるという計算になります。
765Wでも大丈夫なチャージコントローラーで600Wのソーラーパネルを使うので安全性を確保できる、ということになりますね。
■700Wのエアコンを使えるインバーターは?
注意が必要なのは、『出力が700Wのインバーターでは役不足』という点です。
エアコンや洗濯機や掃除機などのモーターを使う家電製品は、電源を入れた直後に最大の電力を消費します。
700Wのエアコンの場合は、電源を入れた直後は700Wの電力を消費するが、部屋が冷えてくるにつれて消費電力は下がってきます。
起動時に700Wの電力を消費していたエアコンが、20分後には100W程度の電力しか使わないこともあるのです。
とはいえ、モーターの起動時には定格の数倍の電流が流れます。
モーター起動時の過電流を考えると、やはりインバーターにも余裕を持たせることが懸命といえますね。
エアコン以外にも、多数の電気製品の使用に対応することも考慮して、出力が1200Wや1500Wの正弦波インバーターを使用するのが良いと思います。
■ここまでの自作ソーラー発電の構成を整理してみる
気になる費用(見積もり)もついでに出して見ましょう(電気屋さん風に)
すべてヤフオクで検索して調べてみました。
・150W/18Vのソーラーパネル4枚(合計600W)
18,730円×3
・100Ahクラスのディープサイクルバッテリー3個
14,600円×3
・入力50Aに対応したチャージコントローラー
9,690円
・定格出力1500Wの正弦波インバーター
17,800円
・システムに見合ったケーブル類
10,000円?
・止め具や架台
15,000円?
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合計136,460円となります!
600Wのパネルで発電しつつ、足りない電力はバッテリーで補う、という状態で700Wのエアコンを数時動かすことが可能かと考えます。
まぁ、新潟おてんとサンのドンブリ勘定ですけど・・・(汗)
ナカナカ過激な出費になってしまいますね。
コレだけの大枚を叩いても『700Wのエアコンをやっと動かせるだけのシステム』ということになります。
■住宅用の売電もできるソーラー発電と比べる
3.3KW(3300W)の住宅用のソーラー発電システムが100万円以上するのですから、エアコンだけを使いたいのであれば14万円で実現できれば安いのかもしれません。
ただし、上記の自作ソーラー発電は売電できるようなシステムではありません。
1ヶ月のエアコンの電気料金が2,500円とすれば1年で30,000円、4年で120,000円の節約となりますから、4年ちょっと使い切れば元が取れるということになります。
ただ、毎月2,500円分の電力を自作ソーラー発電で使うというのは、かなり難しいと思います。
実際は、夏場はフル化稼動としても春や秋はそうも行きませんからね。
単純に夏・冬で目一杯つかったとしても、元をとるのに8年くらいは掛かるのかも知れません。
■結論を簡単にまとめ
『DIYとしては非常に楽しいしチャレンジのし甲斐がある』
『投資を回収するのは意外と時間がかかる』
『ドンブリ勘定なので、もう少しの出費を要するかもしれない』
といったところです。