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この不思議な起訴の公判

石川無罪が決まれば「強制起訴」は自然消滅するが・・・石川は本当
 に有罪になるのか?
   



1 こんな起訴事実で石川議員は逮捕・起訴された<<起訴事実>>
①小沢が立て替えた4億円を記載しなかった。
②04年10月に購入した土地を05年1月に購入したと記載した。

石川元秘書に対する起訴事実は本当にこの程度なのです(笑い)。

2 犯罪性がないといわれる理由

(1)無理スジの起訴事実
①については、「政治資金団体の職員が一時的に資金の立て替えをし、後
清算した場合などの資金繰りは記載しなくてもよい」と総務省Q&Aに
あることが起訴後に明らかになり、そもそも論として、小沢氏が立て替え
4億円については記載の必要がないもので、仮に検察が主張するとおり、
小沢氏が立て替えた4億円を不記載にしたとしても、それ自体、犯罪行為
にはあたらないという見方が浮上しています。

②については、登記日を土地取得の日と見なすことができることから、虚
偽性は存在しないのではないかとの疑問が持ち上がっています。この件に
ついても「そもそも論」で、期ズレそのものが収支報告書の透明性を損ね
ることにはならず、犯罪性はないという見方が浮上しています。

3 検察は石川氏を別件逮捕し、「小沢氏逮捕」を狙おうとした

検察は、小沢氏が立て替えた4億円に対して、「こんな大金には何か不正
があるはずだ」と見立てました。そして、①と②を理由に秘書をしょっ引
いて問い詰めれば「必ず何かが出てくる」と見立てたのでしょう。

しかし、結果的に何も出て来ませんでした。事実、小沢氏が立て替えた
4億円は、父親の遺産であり、銀行に預金してあった遺産を金融危機の際
に、銀行から卸してタンス預金にしてあったことが、預金通帳などとの照
合によって、皮肉にも検察の手で確認されました。

その結果、起訴事実は石川秘書に対する①、②だけ(小沢氏は不起訴)に
なったのです。

4 公判の争点

石川元秘書は、①の起訴事実について、「小沢先生が大金を持っている
ことを隠すために記載をしなかった」という供述を取られました。

この調書は、検察の「借入金 小沢一郎 4億円」の記載は「銀行借り入
れ」であり、したがって、「小沢氏が立て替えた4億円」が不記載である
とのストーリーに基づいて取られた調書です。

しかし、石川氏は、公判前手続きにおいて、04年分の収支報告書には「借
入金 小沢一郎 4億円」との記載があり、虚偽記載は存在しないと主張
し、供述調書については、検事の誘導があったとして公判で全面的に戦う意
志を表明しています。

石川氏は、政治資金規正法上、預金の範囲内での銀行借り入れ(つまり
銀行に預金を造り、それを担保に同額の借入をすること)は、収入とみな
されず、その場合、小沢事務所が銀行からの借入金4億円を記載する必要
はなく、「借入金 小沢一郎 4億円」の記載が「銀行借り入れ」である
はずはないと主張すると思われます。

5 検察のストーリー

検察は、当初から、「借入金 小沢一郎 4億円」=「銀行からの借り入
れ」という前提に立ってストーリーを組み立ててきました。

そして、「借入金 小沢一郎 4億円」=「銀行からの借り入れ」を
マスコミにリークし、国民に信じ込ませた上で、「小沢氏が立て替えた4
億円の記載がない」という①の容疑で石川氏を逮捕しました。

おそらく検察は、石川氏の記憶が曖昧なことに乗じて、「小沢氏が大金を
持っていることを知られることはよくないと思った」という供述を強引に
引き出し、保釈を餌にして供述調書に署名させたのでしょう。

ただし、裁判所は、その供述調書を採用するとしても実に難しい判断を迫
られます。なぜならば、小沢氏が立て替えた4億円は不記載にしても犯罪
性はないからです。

本屋で「自由にお取り下さい」と陳列された本を、万引きするつもりで持
ち帰ったら、それは「万引き」にあたるかという疑問に直面するからです。

この不思議な起訴の公判は、公判前整理という入り口で難航しています。