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モズライト The VENTURES

Mosrite(モズライト)とは?

1950年代初頭に誕生した米国の楽器メーカー。木工技術とデザイン性の高さから、「ギターのロールスロイス」と評されています。

創業者 セミー・モズレー
モズライト製ギターの特徴
  • 美しいジャーマンカーブ・デザイン
  • 薄く低いフレット
  • 細いネック
  • 極端に高出力なピックアップ

ベンチャーズモデルは、モズライトのフラッグシップモデルになります。

モズライトのストーリー

創業者のセミー・モズレーが、リッケンバッカーとBIGSBYで修行した経験を生かして創業された楽器メーカーが『モズライト』。

そのため、リッケンバッカーからはジャーマンカーブボディの技術、BIGSBYからはブリッジ(VIBRAMUTE)製作のノウハウが生かされています。

Mosriteの社名は、創業者セミモズレーと出資者であったレイ・ポートライトの名前に由来します。

ブランドが軌道に乗ったのは、米国のインストルメンタルバンド「ベンチャーズ」のノーキー・エドワーズと出会い、ベンチャーズモデルを製作した60年代から。

しかし、セミー・モズレーにはビジネスの才がなく、1968年には破産してしまいます。2年後の1970年にブランドの権利を買い戻しますが、その後、ヒット作はなく、セールスは日本のファンに向けたベンチャーズモデルタイプがメイン。

そして1992年にセミー・モズレーが死去。セミー・モズレーが亡くなった後も、妻のロゼッタモズレーは1994年までモズライトの生産を続けます。そして、1994年に再度倒産。

 

 

一方、日本国内に話を移すと、1968年に日本のファーストマン社セミモズレーと契約し、モズライト(Avenger)を製作。モズライトの倒産の煽りを受けて、1969年にファーストマン社も倒産。

しかし、ファーストマン社の下請け会社だった黒雲製作所はモズライト製作を継続。

1992年にフィルモア楽器(株式会社フィルモア)が、モズライト社を再建したセミー・モズレーと契約。同年にセミー・モズレーが死去。

その後、黒雲製作所とフィルモア楽器は権利関係で訴訟に。2007年の判決で、両者に権利がないことが確定。その時に、権利者と判断されたのがセミー・モズレー夫人のロレッタ・モズレー

2009年、モズライト工場で働いていたクラフトマンを集め、京都に工房を設け、モズライト社(Mosrite Inc、MosriteUS)を再建。フィルモア社と米国のモズライト販売の代理店だったエド・ローマンギターを相手取って、米国合衆国連邦裁判所に提訴。ここでも、ロレッタ・モズレーの権利が認められる。

現在、黒雲製作所、株式会社フィルモア、モズライトUSの三者がモズライトを販売。

このような複雑な事情のため、現在、セミー・モズレーが製作した1992年以前のリアル・モズライトは、100万円を超える高値で取引されています。

年表

リリース
1963以前 Joe Maphis model」を発表
1963 The Ventures Model」を発表
Ventures Bass」を発表
Mark Ⅻ」を発表
1965 The Ventures Ⅱ Model」を発表
※「スラブボディタイプ」と「ジャーマンカーブボディタイプ」の2種類有
1966〜1968 The Ventures Mark Ⅴ Model」を発表
Celebrity(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)」を発表
Combo」を発表
Balladere」を発表
Serenade」を発表
1967 ベンチャーズ」とのライセンス契約が終了
1968 最もギターを生産した年
日本のファーストマン社とライセンス契約し、「Avenger」を発表
この年の後半にモズライト社は倒産
1969 ファーストマン社倒産
ファーストマン社んの下請けであった黒雲製作所がAvengerの生産を継続
1970年代 Bluesbender」を発表
300」を発表
350」を発表
Acoustic Black Widow」を発表
Sooner model」を発表
1970 モズライトの権利を買い戻す。「Ventures」ロゴが無くなる
1976 Brass Rail」を発表
Brass Rail Deluxe」を発表
1988 V88」を発表
M88」を発表
1990 The Nokie Model」(ノーキー・エドワーズ・モデル)を発表
1992 フィルモア楽器がセミー・モズレーと契約
創業者セミー・モズレー死去
1995 フィルモア楽器が「The Ramones Model」(ジョニー・ラモーン・モデル)を発表
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ベンチャーズモデルのラインナップ

ベンチャーズモデルのラインナップには、次のようなものがあります。

モデル名 内容
The Ventures Model(Mark I) 6弦エレキギター
The Ventures Ⅱ Model(Mark Ⅱ) 「Mark Ⅰ」の廉価版
The Ventures Mark Ⅴ Model
(Mark Ⅴ)
「Mark Ⅱ」のアップグレード版
Ventures Bass(Mark Ⅹ) 4弦エレキベース
Mark Ⅻ 12弦モデル

この他には、ベンチャーズモデルの類似デザインとしては、「Gospel」「Mark Ⅳ」「The Nokie Model(ノーキー・エドワーズ・モデル)」「The Ramones Model(ジョニー・ラモーン・モデル)」「M88」「V88」などがあります。

「Mark Ⅰ」「Mark Ⅱ」「Mark Ⅴ」「Mark Ⅹ」という名称は、ベンチャーズとのライセンス契約が終了し、「The Ventures」という名称が使えなくなった後からの呼ばれる機種名称

モデル紹介

モズライトは、ベンチャーズモデル以外にも、さまざまなモデルを発表しています。

モズライトのモデル

モズライトがDobroを製造?

1960年代にセミー・モズレーがリゾネータギターで有名なDobroドブロ社を買収します。

そして、一時期、モズライト社がドブロを製造・販売していました。

その後、1968年の倒産と同時に清算され、1970年にDobro社は買い戻されます。

この時期のDobroは、価値があるかもしれませんね。

Mosrite The Nokie Edwards 30th Anniversary Model 1992年製 Blue Metallic Ltd.15/30

 
¥0価格
 
 

Mosrite The Nokie Edwards 30th Anniversary Model 1992年製 Blue Metallic Ltd.15/30 Near-Mint “Signed by Nokie”

セミー・モズレーが最後に監修した30本限定のノーキー・エドワーズ30thアニバーサリーモデル。ノーキー本人による直筆サイン入り&ファーストオーナー様放出の一本が極上ニアミントにて入荷致しました。

 

その創業は1956年と歴史のあるブランドMosrite1950年代にRickenbacker社で働いていた創業者であるセミー・モズレー氏と投資家のレイ・ポートライト氏両名の名前からモズライト(Mosrite of California)のブランド名にて創立しエレキギターブームの火付け役となります。その後倒産、買戻し、19928月にはセミー・モズレー氏の死去など多くの出来事が相次ぎました。モズライトの代名詞ともなる特に人気の高かったベンチャーズモデルは1963年から1967年までのオリジナルと呼ばれるベンチャーズライセンス期と呼ばれ、その中でも1965年中期までのVibramuteトレモロブリッジ搭載モデルに関しては、現在でも多くのリイシューモデルが発表されるなど不変の人気を誇ります。愛用ギタリストとしては、ベンチャーズの初期メンバーとなるノーキー・エドワーズを始め、ジョー・メイフィス、ジョニー・ラモーン、カートコバーン、国内では加山雄三寺内タケシ等、世界的に活躍するトッププレイヤーの名が連なります。

 

今回ご紹介させて頂くのは、そのモズライトモデルの立役者となるノーキー・エドワーズがモズライトギターを手にした1962年(後にベンチャーズモデルが1963年に発表)から30周年記念に製作された世界限定30本製作の一本。認定書には”the Official 30th Anniversary of Semie Mosley and Nokie Edwards”、ジョイント部に取り付けられたプレートには”Nokie Edwards Semie Moseley 30th Anniversary”と記載があるよう、創業者であるセミー・モズレーノーキー・エドワーズの出会いを記念した意味合いを含み、またセミー・モズレー氏が19928月に亡くなってしまった事もあり、セミー・モズレー氏最後の監修モデルとなりました。またこちらのモデルについては当時あまりにも高い人気だった為、後に少数ながら追加製作がされますが、そちらはセミー・モズレー氏が無くなった後という事もあり、ブリッジにはsemie moseleyの文字は無くなりmosriteの文字にて販売されました。こちらの一本は特に価値のある初回30本の内の一本かつ、ファーストオーナー様がノーキー本人から直接直筆サインを入れてもらい、尚且つ30年間大切に保管されてきたコレクタブルアイテムとなります。

 

まずそのスペックとしては、当時のスペックをしっかりと再現されており、その特徴のあるボディシェイプ&ジャーマンカーブのスタイルに、ボディ材には1963年~1965年中期までとなるバスウッドを採用。フィニッシュカラーは2色展開にて、こちらはカタログにも多く取り上げられたBlue Metallicカラーを採用。ネックには1Pメイプル材が採用され、こちらもボディ同様のマッチングフィニッシュ。ヘッドトップ側もマッチングヘッド仕様となっております。指板はコントラストが強く黒の杢目も確認出来るハカランダライクな上質なローズウッドを採用し、ポジションマークにはスモールドットマーカーが施されます。その他としては、ボディ&ネック共にバインディング仕様、ヘッドにはTHE Nokie Modelロゴ&mosrite 30th Anniversaryロゴ、本モデルの為の特注となるボディカラーにマッチしたブルーメタリックカラー&The Nokie Anniversary Customロゴの入ったピックガード、GROVER DELUXE刻印の入ったクルーソンタイプチューナー、初回30本限定モデルにのみ採用された”semie moseley”のエンボス文字が入ったビブラミュートトレモロ、オリジナルローラーブリッジ&ナット、0フレット有りの22F仕様、指板エンドはスラントされたフロントPUに合わせた形状となっております。またピックアップカバーも本モデルのみに採用されたブルーメタリックカバーとなっております。

※ボディトップのサインについては、ファーストオーナー様が同年(1992年)に来日していたノーキー本人から六本木のライブ会場にて直筆サインを入れてもらったとの事です。

 

そして気になるサウンドですが、黄金期のモズライト、ベンチャーズ・ノーキーサウンドをシッカリと再現。ピックアップ自体が高出力モデルとなる為、シングルコイルながらもハムバッカーに負けじと劣らないパワフルなサウンドで、独特の味わいのある甘さを残したトーンは特にクリーン時にその素晴らしさを感じて頂けます。インスト系のミュージックには勿論、ジョニー・ラモーンのようなパンク系にもマッチするポテンシャルの広さを魅せ付けてくれます。またオリジナルにて低目のフレットを丁寧に仕上げられており、低い弦高でのセッティング、スライドなどの演奏性にも高い恩恵を与えます。

 

最後に状態としては、前ファーストオーナー様がコレクション重視として大切に保管されてきた事が伺える極上美品コンディション。厳密に言えばボディトップ側はピックガード下にハンドレストの跡と思われる光の角度によって見えるレベルの薄い塗装くすみのみで目立ったダメージは皆無、ボディバック側はジョイントプレートの向かって左側に約6mm程度の塗装クラック(ウェザーチェック系)、左下部に浅いポツ打痕、その他細かなスレ程度の小傷、ネック&ヘッドはダメージ無し、金属パーツに若干の経年くすみ程度で、とても30年前の製作品とは思えない素晴らしい状態にて年式を考慮すればニアミント~ミントと呼ぶに相応しい極上コンディションです。演奏面においてもネックコンディションは良好でトラスロッドの余裕もしっかりと残っており、フレットは元々低いタイプですが、8部山以上残っております。付属品としてもセミー・モズレーノーキー・エドワーズ両名の直筆サインの入った認定書、当時のカタログを始め、ライブにてノーキーが同モデルを抱えている写真×2、タグ、専用工具、ケースキーが付属致します。ケースも勿論オリジナルハードケースとなります。

 

世界限定30本とあまりにも少数の限定生産モデルの為、中古市場は殆ど無く、その反面高いコレクション性を誇るモデルにつき、価格については殆ど言い値となっております。過去販売歴としては個人売買の履歴にて、傷ダメージが多く本モデルにありがちなバインディングの割れがあり、また認定書等の付属品等も無い同モデルが軽く40万円を超えて取引されていました。こちらの一本については上述の通り年式を無視した極上コンディションに加え、付属品完備、直筆サイン&写真付属のコレクターズアイテムとしてのプレミア価値もあり、適正価格としては50万円オーバーが当然となりますが、今回前ファーストオーナー様からのご厚意もあり、まさかの破格特価にてご案内させて頂く事となりました。今後市場に出てくるかどうかも分からないレアモデルですが、ここまでコレクション性の高い一本は今後入手不可能かと思われますので、ベンチャーズファン、ノーキーファンの方は絶対にこの大チャンスをお見逃しなく。