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ヒトラー選挙戦略
小粥義雄『ヒトラー選挙戦略』(1994)を読む
2005.8.27
札幌たのしい授業・研究サークル用レポート
仮説実験授業研究会・北海道・丸山秀一
[C]Maruyama Shuichi
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当時,自民党東京都支部連合会事務局の広報部長だった小粥義
雄さんが出版した『HITLER(ヒトラー)選挙戦略──現代選挙
必勝のバイブル』(「ヒトラー政治戦略研究会」編集,千代田永田書
房発行,A5,ハードカバー)という本があります。本の帯には「多
彩な実戦活動を通して到達した混迷時代の選挙必勝法を伝授しま
す。いつの時代でも,選挙勝利の道はただひとつ・・・」と書か
れています。この本の内容は,各章毎にアニメ化されたヒットラ
ーとデザイン化された「かぎ十字」とともに,ヒットラーの言葉
が取り上げられており,「ヒットラーから選挙戦略を学ぶ」という
体裁になっています。
【問題】
この本が出版されたのは,
自民党にとってどういう時期
だったと思いますか。
予想
自民党単独政権時代
自民党連立政権時代
ウ 非自民連立政権時代
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■自民単独政権の崩壊
1993 年8 月,それまで38 年間続いた自民党単独政権は崩壊し,
45 年ぶりとなる非自民の連立政権(日本新党公明党・社会民主
連合・新生党新党さきがけ日本社会党民社党)で細川内閣
(党首は日本新党)が誕生しました。翌年4 月には,細川内閣は
総辞職し,羽田内閣(党首は新生党)ができましたが,その同時
期(1994.4)にこの本は出版されました。つまり,政権を失い野
党となった自民党の危機感がこの本を誕生させたと考えられます。
【問題】
しかし,この本は発行後二ヶ月で絶版・回収となりました。そ
れはどうしてだと思いますか。
予想
自民党の秘密を公開してしまったから
イ 他の党から抗議があったから
ユダヤ団体から抗議があったから
エ そのほか
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■絶版の理由
この本は自民党内だけでなく,羽田首相の新生党を始め,当時
の政権与党の日本新党社会民主連合にも好評だったといいます。
でもこの本を許せない人たちがいました。それはナチスによって
迫害を受けたユダヤの人々でした。
イスラエル大使館は「この本はヒットラーを正当化しすぎてい
る」として,自民党に強く抗議し,ナチス戦争犯罪を追求してい
る米国にあるユダヤ人組織の「シモン・ヴィーゼンタール・セン
ター(SWC)」は,日本大使館に出版停止を求める抗議文書を送
りました。この問題は,「ニューヨーク・タイムズ」や「ワシント
ン・ポスト」にも取り上げられ,国際問題化しだしたので,著者
自民党と出版社は,絶版と回収を決めたのでした。
SWC は,その後日本のメディアに対して監視を強め,翌年には
「ナチ〈ガス室〉はなかった」という記事を載せた雑誌『マルコ
ポーロ』を廃刊に追い込んだりしています。
【問題】
この本は,ユダヤ団体から抗議を受けるほど,ヒットラーを肯
定しているのでしょうか。この本の編者である「ヒトラー政治戦
略研究会」は,この本の巻頭で「ヒットラーナチスに対する歴
史的評価」について触れていますが,どう書いていると思います
か。
予想
ア 明確に肯定している
イ 明確に否定している
ウ どちらでもない
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■「歴史的評価は,せず」
ヒットラーは現代選挙に重要な教えを私たちに示している。
それは,統一したイメージマーク,マスメディアを駆使した宣伝
攻勢,大衆に焦点を当てたイベント展開など」
「大衆の側に立って,大衆の声を聞き,大衆の心に訴えた政治
手法は,混迷の時代,大衆文化時代の今日,〈ピタリ〉とあてはま
る政治戦略。〈黒か白か,敵か味方かをはっきりさせ,敵と徹底的
に戦う政治戦略〉は選挙と同じ」
このようにヒットラーの業績を評価しながら,「ヒトラーの残し
た独裁政治,ユダヤ問題など歴史的評価は後世に譲る」として「負
の面」についての評価は一切を避けています。
しかし,一面を使ったヒットラーの肖像や,在所に登場する「か
ぎ十字」とアニメ化されたヒットラー,さらにカバーを外すとそ
こには,まさしくナチスの「かぎ十字」が刻印され,肖像の前の
ページには,大きくドイツ語で「アドルフ・ヒットラーこそ,勝
利」と書かれています。
【問題】
著者は「選挙必勝法は,ただひとつ」と述べています。それは
なんだと思いますか。
予想
ア 宣伝 イ 資金 ウ 人間性 エ 信念
オ そのほか
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■「選挙必勝法」
著者は「選挙必勝法はただひとつ,強い信念を候補者が持つこ
とである」と述べています。それはどういうことなのでしょうか。
本の内容を見ていきましょう。
この本は,
「内面的に十分成熟した人間が政治的指導に参加すべきである」
ヒットラー
のように,章ごとにヒットラーの言葉があります。このレポート
でも,同様にヒットラーの言葉を入れておくことにします。
【問題】
「信念が固いほど人は強い人物と評価します。だからこそ
〈必ず勝つ〉の立候補の決意は選挙必勝の上で,一番大事なスタ
ート」と書かれています。そして「立候補の要件」として5 つあ
げています。そのうち4 つは「資金」「健康」「支持母体」「自分の
評価」ですが,もうひとつはなん
だと思いますか。
予想
ア 忍耐力
イ 所属政党
ウ 家族の結束
エ 崇高な動機
オ そのほか
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■家族の結束
それは「家族や友人の結束」です。「立候補すれば,家族や友人
有権者から厳しい目で見られる。こうした視線に家族が耐えら
れずに立候補を断念する例が少なくない」そうなのです。だから
「家族の覚悟も必要」というわけです。
さらに「親族は表に出てはいけない。後援会員の下僕として働
き,後援会員への感謝を絶やさないように」とのことで,家族は
大変そうです。
「親族だからといって得するやつがいてはいけない」ヒットラー
【問題】
著者は「支持拡大のため立候補時に一番重要なもの」をなんだ
としていると思いますか。
予想
ア 風評
イ 立候補動機
ウ スローガン
エ そのほか
SWC ロゴ
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■立候補の動機
著者は「〈政治改革〉〈ふれあい
の政治〉などのスローガンも大事
であるが,それだけでは有権者
説得できない」として,「人々が
共感できる立候補の動機が重要」
としています。
「巨大な闘争のために必要な意
義と力を得るためには,新しい世界
観が必要だ」ヒットラー
【問題】
明確な立候補動機でも,有権者を説得できなかったときは,ど
うしたら良いでしょうか。著者はどう書いていると思いますか。
予想
ア 説得できなかった相手は放置
イ 説得できなかった相手は抹殺
ウ 様々な方法で説得を続ける
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■賛同者を増やす
著者は「一人が反対したら,三人の賛成者を生む」として,「ひ
とりがダメなら,新たに三人の支持拡大をめざす」という方策を
示しながらも,「反対者は放置すると敵への投票者となるから,抹
殺すべき」としています。「抹殺」とは「反対派にならないように
反対者の政治力や政治への関心を減退させる」という政治用語の
ようです。
「私はいかなる手段もためらいはしない 戦争を遂行するのは
私なのだ」ヒットラー
「説得の方法」については,次のように述べています。「人間は
争うことが大好き。戦う信念を前面に出し,信じた道を一直線に
貫く。必ず勝つことを頭にたたき込む。堂々と正論を訴えれば道
は開ける」
なにやら現実の政治家が頭に浮かびますが,これは仮説実験の
論理では全くありません。かつて,ナチスゲッベルス宣伝大臣
が言った「大衆は小さな嘘よりも大きな嘘に魅力を感じる」「嘘も
百万遍言えば真実になる」といったことを思い起こさせます。
【問題】
著者は後援会という組織の目的をどう考えていたと思いますか。
予想
ア 支持者拡大,イ 運動員獲得,ウ 資金獲得,エ その他
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■後援会と「親衛隊」
「後援会には〈名前を書いただけ〉の意識の低い人もたくさん
いるから,後援会をもっと支持拡大としてはならない。支持拡大
は,宣伝による」としています。では後援会の役割はなんなので
しょう。それは「後援会は〈親衛隊=戦う中核部隊の運動員〉を
獲得するのが目的。親衛隊が候補者の代理となり選挙運動を展開
する」とのことです。そして「親衛隊」には,「候補者と同じよう
に支持者拡大の最先頭に立たせる。候補者の主張をオウム返しで
繰り返させる。批判に対しては攻撃的な弁護をさせる。候補者と
同じ信念で有権者接触させる。すべてをなげうって当選のため
に戦わせる」のだそうです。また「親衛隊と名乗る必要はない」
ともあります。
「組織の課題は党員を獲得することである」
「いかなる運動も支持者と党員に選り分けねばならない」ヒットラー
【問題】
選挙となれば,ポスターやパンフレットがつきものです。では
ポスターやパンフレットの最も重要な役割は何だとしているでし
ょうか。
予想
知名度アップによる支持拡大
イ 後援会の志気高揚
ウ そのほか
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■宣伝の役割
「どんなによいポスターでも有権者に投票行動を起こすものに
はならない。むしろ後援会との軋轢にならないように配慮をすべ
き。ポスターやパンフレットは,掲示や配布の過程で後援会の志
気を高めるもの」つまりは,「自分たちの志気を高めるのが一番の
役割」としています。
「選挙運動には,後援会での大衆討議が必要。みんなが参加し
ているという意識が大切」「宣伝は人を獲得するもの。その内容よ
りもその活用が大切。宣伝でまず後援会員を動かす」
「宣伝の第一の任務は組織のために人を獲得することである」
ヒットラー
【問題】
著者が「宣伝の対象」として最も重視するのは,どんな人たち
だと思いますか。
予想
ア 若者
無党派層
ウ 女性
エ そのほか
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■女尊男卑
著者は「女性は24 時間地域密着で周りの人々への影響力が大き
い。またスキャンダルにも敏感に反応するなど感情的」として,
選挙では「男女同権」や「男女平等」ではなく,徹底した「女尊
男卑」を主張しています。かくしてこの本にも,「かわいいヒット
ラーのイラスト」が多用され,宣伝の言葉には「愛,誠,夢」が
多用されます。「女性の支持は,愛があればさらに進む。女性に頼
りにされている実感を持ってもらい,母性本能を発揮してもらう。
また女性は候補者に安らぎも与えてくれる」
「女は本物の楽天家で人生の英雄だ」ヒットラー
【問題】
では,立候補者には演説がつきものです。著者は「演説」の重
要な目的はなんだといっていると思いますか。
予想
ア 後援会の志気高揚
イ 支持者の獲得
ウ 運動員の獲得
エ そのほか
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■演説の重要性
「演説は聴衆に理解してもらうことが大事だが,ただ理解して
もらっただけで,運動に参加してくれないのでは,なんの益もな
い」ということで「相手を動かすことが目的」なのだそうです。
「演説は上手下手よりも,毎日繰り返すことが重要。自分をあり
のままに出す」「人を説得するときは明るいところではあまり効果
がない。照明や音響などの演出が必要」
「偉大な歴史的な誰を起こした力は,永遠の昔から語られる言葉の
魔力だけだった」ヒットラー
【問題】
著者は「候補者は,クリーンでなければならない。誠実な人柄
で,真面目な生活態度,幸福な家庭,人から後ろ指をさされない
人間でなければならない。しかし,そのような人間はいないし,
国会には到底住めない」といいます。では,候補者は日常生活で
どうすべきと言っているのだと思いますか。
予想
ア 表と裏の使い分け
イ 可能な限り清貧に
ウ 普段のままでよい
エ そのほか
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■候補者の日常生活
著者は「候補者はスターであるから,演技力が必要である。金
持ちは貧乏の演技を,貧乏人は金持ち(選挙資金が潤沢にある)
の演技を」として,「表では誰よりも清貧な生活(食事,服装,ク
ルマなど,贅沢と思われないように)をして,真面目な人柄と思
われるように,誠実な行動をとる」ことをすすめています。
「闘争の年月の間,結婚生活を導くという責任は引き受けられない」
ヒットラー
【問題】
選挙には莫大な資金が必要です。では元手のない候補者は,お
もにどうやって資金を調達するように書いてあるでしょうか。
予想
ア 大口寄付に頼る
イ 後援会会員にカンパを募る
ウ イベントで集める
エ そのほか
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■きれいな資金
「単なる支持者と運動員を区別する」というとおりに,資金の
面でも「運動員には金を出させる。参加する意識で金を出すほど
熱心になる」というように,「会費を支払わせ,機関誌を有料購読
させ,カンパを募る」わけです。
また「グッズ販売,旅行会,芸能イベント,盆踊り大会,ゴル
フコンペなどを企画して収益を上げる」とも書かれています。「こ
うやって集めた金は,もともとが自分のカネではないから,ケチ
らずに有効に使える」というわけです。
しかし資金集めには,大きな問題点があります。それは「政治
資金規正法」で,「1000 円以上の政治資金は出所を明確にしてお
かなければならない」とのことです。
「私には財産も現金もありません」ヒットラー
【問題】
選挙には選挙違反がつきもののようです。では著者は「警察と
の関係」についてどう書いていると思いますか。
予想
ア 警察は味方
イ 警察は敵
ウ 警察は利用するもの
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■「警察は味方ではない」
著者は明確に「警察は味方ではない」としています。それは「公
職選挙法があり,それは警察権力の考え方ひとつで,だれでも犯
罪者にできる悪法だからだ」ということです。
たとえば公職選挙法では「選挙運動は告示の日から投票日の前
日までしかできない」ということになっています。この「選挙運
動」の定義がハッキリしないため,選挙期間外の活動を「選挙運
動をした」として,逮捕されることもあるという話なのです。「後
援会事務所でジュースをもらった」なども「供応」とされること
もあるようです。
また著者は「演説集会などの警備などで警察力に頼ることも,
有権者の信頼をなくすので良くない」としています。
「警護を警察に頼るような集会は,大衆の目から見れば信用を落と
す」ヒットラー
【問題】
いざ警察が捜査に着手したら,どうしたらよいのでしょうか。
まずやるべき事は何だとしていると思いますか。
予想
ア 警察幹部などを通して圧力をかける
イ 証拠隠滅
ウ 弁護士通じて抗議
エ そのほか
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■捜査の着手
「まずは押収物をなくすこと。家宅捜査の前に如何に証拠隠滅
をはかるかが勝負。日程,会計帳簿,組織図,名簿類などの証拠
隠滅を,自分一人で実行する」
「自分一人で」というのは,「自分さえ口を割らなければ済むこ
とだから」ということだそうです。また「警察の取り調べに対抗
するためにも強い意志が必要」ということです。
【問題】
自分ではなく,運動員が警察に呼び出された場合は,どうした
らよいとしていると思いますか。
予想
ア その運動員との関係を抹消する
イ すべての罪をその運動員にかぶってもらう
ウ その運動員を全力で応援する
エ そのほか
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■運動員への激励
著者は「呼び出された運動員を全力で応援する。孤立化させな
い」としています。それはなによりも「運動員に警察に迎合した
供述をさせないため」ですが,次のようなメリットも考えられる
でしょう。
豊田泰弘さんが学級経営について「ギャラリー効果を考えよう」
というレポートを書いています。問題を起こした子への担任の対
応をクラス全員が注目しているのと同様に,警察に呼び出された
運動員への候補者の対応を支持者は注目しているわけです。
また著者は「警察幹部に知り合いがいても助けにならない」と
も書いています。
【問題】
著者は「選挙に関する世論調査」も分析しています。私たちも
一緒に,有権者が求めているものを考えてみましょう。
東京都選挙管理委員会は選挙ごとに選挙に関する世論調査を実
施しています。では,前回2003 年の衆院議員選挙についての結
果を見ていきます。
まず,「投票の動機」として一番多いのはなんだと思いますか。
予想
ア 投票は国民の権利・義務
イ 当選させたい候補者がいる,投票を依頼された
ウ 国政を良くする,政治を変えたい
エ そのほか
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■政治参加と義務
投票の動機は「支持政党や支持する候補者」よりも「国政への
参加」「政治を変えたい」や「投票は国民の権利・義務」とするひ
とが多いようです。
21
【問題】
有権者は「人物」と「政党」のどちらを重視して投票している
のでしょうか。
予想
ア 人物
イ 政党
ウ どちらともいえない
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■投票した候補者の選定基準
【問題】
有権者はどういう点で候補者を選んでいるのでしょうか。一番
重視しているのはなんだと思いますか。
予想
ア 政策,主張
イ 支持政党の推薦
ウ 人柄,経歴
エ 地元や仕事上の利益
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■投票した候補者の選定理由
24
【問題】
投票した有権者はどんな政策に期待していたのでしょうか。一
番多かったのは,なんだと思いますか。
予想
景気対策
行財政改革
ウ 年金改革
エ そのほか
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■選挙の際に期待した政策
「何を期待しているかは」その選挙で「何が争点となっている
か」で大きく異なります。1996 年の選挙の時は「税制改革」が
41%でトップ,1993 年の時は「政治改革」が63%でトップでし
26
た。
【問題】
有権者が「候補者の選定に役立った媒体」として,一番多く選
んでいるものは,なんでしょうか。
予想
選挙公報
イ テレビやラジオの報道
ウ 新聞や雑誌の報道
エ 候補者の演説
オ そのほか
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■候補者選定の際に役立った媒体
有権者が主にテレビから影響を受けているのが分かります。「候
補者の連呼」で投票を決める人は2%,「電話による依頼」では1%
以下しかいません。しかし,それらの活動は運動員にとって,わ
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かりやすくやりがいのあるものなのです。
( 本レポートにあるヒットラーかぎ十字のイラストは,
『HITLER(ヒトラー)選挙戦略』からのコピーです)
■あとがき
ヒットラーの『わが闘争』についてのレポートを書いていると
きに,この本のことを知りました。絶版回収本ということで入手
はできないと思っていたのですが,運良く入手することができま
した。そしてすぐに,ナチスに対する歴史評価や,ちりばめられ
ヒットラーなどのイラストにびっくりしました。そして読んで
いくと,どうも現実の政治家たちが思い出されてなりませんでし
た。
『わが闘争』についてのレポートを読んでくれた,仮説社の竹
内三郎さんとお話ししているときに,この本の話題となって,「ぜ
ひ読みたいから,なんとか入手して欲しい」と本探しを依頼され
ました。そして,またまた幸運にも,すぐに入手することができ
ました。
郵政民営化問題で衆議院が解散となり,選挙が近づくにつれ,
「候補者側は選挙をどう見ているのか」ということを選挙前にこ
の本でまとめたくなり,書いたのがこのレポートです。「選挙につ
いての世論調査」のところは,グラフを書き直したかったのです
が,時間が無くて,そのまま使いました。
民営化問題で国会が揺れているとき,ある議員は「民主主義な
んだから,多数意見に従うべきだ」という発言をしていました。
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しかし,ヒットラーも民主主義の手法により,圧倒的得票で独裁
者となったのです。「ヒットラーについて学びたい」と改めて思っ
ています。
丸山秀一 kasetsu.maruyama@nifty.com
■典拠文献
・ 小粥義雄著,ヒトラー政治戦略研究会編『HITLER(ヒトラー)
選挙戦略』千代田永田書房,1994
・ 日本に圧力をかけるシオニスト組織「SWC」
http://inri.client.jp/hexagon/floorA4F_ha/a4fhc600.html
・ 東京都選挙管理委員会「選挙に関する世論調査 2004 年11
月実施衆院議員選挙」2005
■参考文献
・ アドルフ=ヒットラー『わが闘争』上下巻,平野一郎・将積
茂訳,角川文庫,1973
平井正ゲッベルス中公新書,1991
・ 丸山秀一「『わが闘争』を読む」レポート,2005
Simon Wiesenthal Center
http://www.wiesenthal.com/
・ 映画「国会へ行こう!」東宝,1993,
著者が制作に参加,出演。 この映画
は,なかなかおもしろい。