雪印メグミルクが1925年から販売するロングセラー商品「雪印北海道バター」をめぐり、原材料を偽っているとの荒唐無稽な情報がSNSで拡散している。
投稿者は不買を呼びかけるなどしているが、同社は取材に完全否定した。消費者からの問い合わせもあり、対応を検討しているという。
廃棄呼びかける書き込みも
一般のツイッターユーザーが2022年12月19日、雪印北海道バターのパッケージ写真とともにこんな書きこみをして広く拡散している。
商品サイトやパッケージでは、原材料として「生乳(北海道産」「食塩」の2つを記載している。投稿者は、食用油脂などが原料のマーガリンも含まれていると根拠を示さず指摘し、「明治、森永、雪印は人生から排除なり」となぜか雪印の同業他社も含めて不買を推奨した。
日本乳業協会のウェブサイトによれば、バターは乳等省令で、マーガリンは日本農林規格(JAS規格)で成分規格や製造方法などが定められている。バターは乳脂肪分80パーセント以上、マーガリン類は油脂含有率80パーセント以上がマーガリン、未満はファットスプレッドと区別される。
投稿者はそのほか、「勇気を持ってポイしましょー!」と廃棄を呼びかけたり、健康被害の恐れを示唆したりしている。
「事実無根で意図がわかりかねる内容です」
閲覧者の多くはデマではないかと非難しているが、「え!ほんとに?!たまに買ってました」「一週間くらい前に明治のバター買ってしまった」と不安がる人や、疑心暗鬼になり廃棄を宣言する人もいた。ツイートが事実無根であれば、雪印メグミルクへの風評被害につながり、上場企業でもあるため株価への悪影響も懸念される。
雪印メグミルク広報は21日、J-CASTニュースの取材に「マーガリンが入っているのはありえない」と答えた。健康被害の恐れも否定し、「事実無根で意図がわかりかねる内容です」と困惑気味に話す。
社内でのSNSモニタリングに加え、お客様センターへの電話やメールで昨日事態を把握した。消費者から心配の声も寄せられており、「対応を検討中です」としている