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国家の詐欺行為 住宅瑕疵担保履行法 

住宅瑕疵担保履行法 



住宅瑕疵担保責任保険(瑕疵担保履行法)とは、新築住宅の売主等(建設業者・宅建業者)が、国土交通大臣の指定する保険法人との間で保険契約を締結し、その住宅に瑕疵が判明した場合、その補修費用等が保険金によりてん補される制度です。

保険への加入にあたっては、住宅の工事中に検査が行われます。
また、消費者を守る仕組みとして、売主等が倒産していて補修が行えない場合等は、発注者や買主が保険法人に瑕疵の補修等にかかる費用(保険金)を直接請求することができます。

以下は国土交通省の公告です。

(趣旨と背景)

 平成12年4月に施行された『住宅品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)』において、新築住宅の売主等(建設業者や宅地建物取引業者)には、柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分、屋根や壁など雨水の浸入を防止する部分の瑕疵(欠陥)について、引渡しの時から10年間は修理をしたり、損害賠償をする責任(瑕疵担保責任)を負うことが義務付けられています。

 しかし、平成17年に発覚した構造計算書偽装問題のように、売主等が倒産したり。十分な資力がなかった場合には、瑕疵担保責任が履行されず、住宅購入者が極めて不安定な状況に置かれることが明らかになりました。
 そこで、住宅購入者を保護するため、売主等に瑕疵担保責任を確実に履行するための資力確保を義務付ける 『住宅瑕疵担保履行法(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)』が、平成20年4月から施行されました。

(制度の概要)

1 瑕疵担保責任履行のための資力確保の義務付け
 新築住宅の売主等は、補修や損害賠償金の支払いが確実に履行されるよう、保険または供託による資力確保措置を講じなければなりません。


【保険への加入の場合】
 新築住宅の売主等が、国土交通大臣が指定する『保険法人(住宅瑕疵担保責任保険法人)』と保険契約を締結し、瑕疵が判明した場合、その補修費用等が保険金より補填される制度です。

【保証金の供託の場合】
 引き渡した新築住宅に瑕疵が判明した場合、売主等が自ら補修するのが原則ですが、倒産などにより補修が困難になった場合に備えて、住宅の供給戸数に応じて算定された金額の現金等を供託所に預ける制度です。 

2 保険法人の指定

 施工段階での検査能力を有し、瑕疵担保責任を履行したときに保険金を支払うこととする保険契約の引受けを行う「保険法人(住宅瑕疵担保責任保険法人)」を国土交通大臣が指定します。

3 紛争処理体制の整備
 保険に加入している新築住宅おいて、売主等と住宅購入者との間で紛争が生じた場合、「指定住宅紛争処理機関」に申請すると、「あっせん・調停・仲裁」を受けることができます。
      

以下順次解説しますが、②にこの保険を取り扱う法人が指定されていることに注意してください。
現在、4つの法人が作られています。




来年10月から、完成住宅建築は全て瑕疵担保保険に加入しなければならない。消費者から見ればよいことのように思える。
新しい法律が成立し施行される時、いつも問題が発生する。国の答弁はいつも同じ。説明が足りなかったと。説明不足ではない、検討不足である。来年10月までに問題点は修正して欲しい。

H12年品確法

H12年に品確法ができた。「瑕疵担保責任10年保証」「住宅性能表示制度」「完成保証制度」の3法から成り立っている。「瑕疵担保責任10年保証」は保証期間が民法で2年間だったものを10年間に改正した。これはよいことだったと思う。

次に「住宅性能表示制度」について。「住宅性能表示制度」には2本の柱がある。住宅の性能を9項目(現在は10項目)についてランクをつけ表示することと、瑕疵保証の保険に加入しましょうという柱である。この制度は10数万円程度の費用がかかった。政府は住宅の半分が加入するものと見ていたが、現実は加入者が非常に少なかった。法律で10年の瑕疵保証は義務づけられているので、加入は必要無いという建主や施工者が多かった。

耐震偽装事件が起こる
耐震偽装で、耐力不足のマンションの関係者が全て倒産し、入居者に多大な債務を強いられる結果となり、建築確認行政を管理している国に対し責任追及が始まった。
マンションの販売元であるヒューザーが「性能表示制度」に加入していれば、倒産していても保証機構が債務を受け継ぐことになり国への責任追及は無かった。

H20年5月に瑕疵担保履行法

H18年、事件の後、国は1万人を対象に次のようなネットアンケート調査を行った。
住まいに欠陥が生じた場合「保障への不安」と「保障の必要性」を聞いた。アンケート結果は「保障への不安」に「はい」と答えた人は81%。「保障の必要性」に「はい」と答えた人は91%だった。条件を出さずに質問すれば結果は明らかだ。信用ある業者に依頼した場合とか、瑕疵担保責任10年は法律化されているが強制加入が必要かとか、保証費用に10万円必要ですよという条件を出せば答えは変わっていた。

車の強制加入保険と同じという説明に、消費者が賛同するのは当たり前だ。アンケート対象者は、車の保険とヒューザーのことを想像し答えを書いた。
品確法の「性能表示制度」への加入者50%達成を絶望視していた時期、やらせに近いアンケート結果を基に、瑕疵担保履行法は、H20年5月に立法化された。「瑕疵担保責任10年保証」で充分という意見に対して、工事会社が倒産の恐れがあるのでつくったのとのこと。だったら倒産保険にすればよいだろう。

家電製品の保証期間は1〜2年である。保証期間中はメーカーが保証する。トヨタやナショナルが、倒産した場合や保証の支払いが滞った場合の救済措置の法があるだろうか。





■1、品確法では検査費用だった。瑕疵担保履行法では保険費用。

ステップ1(施主からお金を取るのではない)

建築確認の申請者は建主である。建物の検査が目的であれば請求先は建築主である。高い検査費用を施主に請求すれば、問題が起こるので、保険制度にした。工事保険だと請求先は建築業者となる。終局は建築主の財布から出るお金ではあるのだが。

ステップ2(高すぎる保険費用・便乗検査費用)

住宅保証機構(指定保険法人)は、120㎡の建物で、現場検査費用23320円+保険費用45650円=68970円と発表した。過去10年間の瑕疵の発生データがある。発生率は0.6%、発生費用金は1件180万円と調査会の報告である。つまり1000件の内6件に瑕疵が発生し、瑕疵の総金額は1080万円。1件当たりの負担金は1万800円となる。還元率は23%である。競馬の還元率は70%、パチンコの還元率は80%、やくざの賭け事だって還元率は70%なのに、あまりに高すぎる保険料。

品確法をつくり、天下り・行政退職者による検査組織をつくったが利用者がいない。行政改革住宅金融公庫と同じく消されるかもしれない法人組織に、存在価値つけなければならない。保険には検査は付きものである。強制保険にしたら、検査もコバンザメみたいについてくる。検査組織は安泰だ。

ステップ3(保証と保障の違い)

保証がいつのまにか保障に変わった。国民は保証と思っている。建主に特別、落ちどがなければ、修繕は無償でやってくれるものと理解している。工事に瑕疵があった場合だけの保険である。台風・暴風・暴風雨による雨漏れは除く、地盤沈下による建物の変位は除くとなっている。地震が起きて、壁にヒビがはいても保険金は出ない。地盤沈下で家が傾いても、施工上瑕疵がなければ保険金は出ない。

地盤沈下の保険はオプションである。雨漏れが多いと聞くが、台風時の雨漏れは火災保険がある。火災保険は築後10年と短くない。どんなに古くても加入できる。ほとんどの人が火災保険には加入しているので二重保険になる。「瑕疵担保責任保険」から「雨漏れ」は除いて掛け金が安くならないだろうか。

■2、供託と保険の選択

 保険金が高すぎると言う人のために供託金制度もある。建設業者は供託金を納めるか保険に入るか選択性になっている。供託する場合は供託金が必要。年間施工5戸建設業者の場合1戸当たり560万円。年間施工100戸の建設業者の場合1戸当たり100万円。住友林業クラスの年間施工1万戸の建設業者の場合1戸当たり4.4万円。積水ハウスクラスの年間施工1万戸の建設業者の場合1戸当たり2.7万円である。勿論検査も無い。供託金なので目減りはしない。大手と中小企業の差はあまりに大きい。

中小建設業者ほど金がかかる仕組み。中小建設業者ほど文句をいうので、パイが少なくなった建設業界を見ると、中小建設業者を淘汰させたが良いというねらいもあるだろう。





■3、設計施工分離に逆行行為

設計施工一貫においては、工事監理が行われていない。設計施工一貫の場合には第三者が検査を行うのは正しい。しかし、設計施工分離であれば、設計者が監理するので第三者検査は行っている。二重業務となる。例えば配筋検査で言えば、配筋が完了して、検査までの時間を施工会社に待たせることを強いている。配筋検査を設計者が行い、更に検査機関が行うとなれば、施工会社に多大な時間ロスが発生する。

地域によっては中間検査がある。確認機関と検査機関が同じ場合は、同時の検査ができる。費用の割引はない。一つの仕事に2箇所から収入がはいる。
この三重検査費用は、建主にとって多大な出費となるので、設計者の検査はいらないとの要求がでるだろう。検査、検査で間接要員の増大になる。農業従事者より農協職員が多いのと同じ。

■5、仕様のダブルスタンダード

検査機構(指定保険法人)は独自の内部基準をつくっている。保険の支払いを少なくしたいからだ。構造木材の含水率は20%以下、土壁は駄目、松杭は駄目、バルコニーは10㎡までとか。パンフには「すべての工法・建て方の新築工事」とある。建築基準法にない内部基準はなんだろうか。建築基準法を遵守すれば、家は建てられる、保険には入りなさい、でも基準に合わないので保険の支払いは致しませんとは詐欺行為ではないだろうか。ダブル検査にダブル仕様。

■6、紛争処理

売主と買主に紛争が生じた場合、紛争処理の窓口をおいた。元締めは(財)住宅リフォーム・紛争処理センターだ。1戸につき1万円(不確定)の供出金とのこと。財団に年間10億のお金が集まる。

紛争がおきたときのため、各県に建築紛争処理審査会がある。これもダブル紛争処理だ。クレームが発生した時、東京の(財)住宅リフォーム・紛争処理センターがわざわざ地方まで来ることはない。地方の建築紛争処理審査会か弁護士さんを紹介するだけだろう。地方の建築紛争処理審査会が機能を果たせば、10億のお金は財団の純利となる。

最初120㎡(2400万円)の場合は12万円の掛け金だった。高いという声に6.8万円に下がったと思ったら地盤保証が消えていた。平均180万円の保証に対し掛け金6.8万円でも高すぎる。戸建て住宅の場合は180万円ぐらいのお金は倒産しない限り払える。問題はマンションである。耐力不足を戸建て住宅にみたいに壁を開けて筋交いを入れるというわけにはいかない。過去耐力不足のマンションは建替となり、マンション業界だけでの互助保険では億のお金は集まらない。それで、戸建て住宅建設の方々にも掛け金参加を法律でお願いしたのだ。

最近、業界への天下りに世間の目は冷たい。耐震偽装事件は渡りに船だった。記憶が醒めないうちに、天下り先の確保と、国に責任が来ない2重3重の防護策をしておかねばならない。保障機構は、指定保険法人に変身し、人員増強を行い、増益を狙う。実務労働者の上に乗っかる間接業務の増大に、実務労働者よ、声を上げよう。制度に反対ではない、あまりに高すぎる保険費用に意見を言おう。確認申請費用の値上げ、高い適合性判定費用に更に追い討ちをかける。机の上だけで儲かる金融業界と同じ方向に行く建築業界の被害者は、建主なのだ。




別のサイトの意見も紹介しておきます。

いかに、目的と中身が違う法律なのかがわかると思います。鋭い指摘で強い危機感を覚えます。

もちろん、瑕疵担保自体については反対する人はほとんどいません。問題はその中身です。
実際にこの保険ではよほど重過失な瑕疵で無い限り保険が下りないでしょう。メンテナンスを保証するものでもないし、設備や内装等の瑕疵には一切対応していないのです。今時、この保険が対応しなければいけないトラブルなんてよほどの施工ミスが無い限りありません。

それなのに、住宅1軒で約7万円の保険料!?ぼったくりです。このお金はそのまま工事費に上乗せされるので、結局は建主が払うお金になります。

施行まであと1年。問題点を修正させるべく、我々は声を大にしてこの問題に立ち向かっていく必要があるのではないでしょうか。国土交通省建築基準法改正時の反省を全くしていないとしか思えない、許せない悪法だと思います。


以上引用を終わります。

このように、この制度は何も知らない従順な素人を相手に金だけを巻き上げる暴力団紛いのものなのです。
施行を前に、私自身、指定された法人のパンフレットを手に入れて検証してみました。

驚いたことに、保険会社とその保険契約を結ぶ前に、その保険会社の会員に加入する必要があり、加入金も5万円となっています。

保険をかける当人が何でその会社の会員になるために加入金まで支払う必要があるのか。
驚かれるかも知れませんが、これは事実なのです。

また、工事の瑕疵保険をかけるにが、何故建築主自身でないのか、建築工事はその時の一時的なもの、後の改修などで、いつまでも同じ業者を使う必要はないのである。

結局保険料を建築主が負担するならば、何故、工事業者などを介してやらねばならないか。

勿論、其処には保険会社と工事業者の間で、保険料を支払う、払わないとのやり取りを将来しやすくするためである事は、見え見えである。

瑕疵対象に雨漏りを上げているが、雨漏りのことなど国に面倒を見てもらう必要などないのである、が、こんな項目を残しているのは素人向けのアピールのためなのである。

その上に、雨漏りに対する補償などはじめからする気はないのである。
何処の家でも雨漏りには苦労している場合が多い、そんなものに一々補償していては保険会社がそれだけでパンクする。

一方、構造強度の瑕疵についてであるが、家が傾いたなどのことが起きる場合、大抵は地盤沈下などが原因です。
ところが地盤の瑕疵については一切面倒を見ないことになっています。
これでは保険料の丸取りです。

ともあれ、全国の受託着工を年間100万件とすれば、この法令により4つの法人が受け取る保険料などは、年間1000億円を超える。
この法令に従わない業者(建築主ではない)は1年以下の懲役、又は100万円以下の罰金を払うことになっている。

これは確実に、国家の詐欺行為であり、ミカジメ料を出せと脅しも法令でやっている。
このような法令を、止め処もなく作ってくる、霞ヶ関マフィアを許してなるものか。
許されることならば、霞ヶ関を焼き討ちし、奴等をことごとく叩きのめしたいものである