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豚インフルについて

http://news.bbc.co.uk/2/hi/talking_point/8018428.stm
BBC news

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題名: 豚インフルについて、4/28時点
発信人: 参考までに 日付: 2009/04/29 03:36:05 記事番号: 134513


Reference: 134442
大学病院勤務の呼吸器内科医、インフェクションコントロールドクターです。
せっかくのGWに厄介な騒動が起こってしまいましたね。

現時点で確実な情報
1)メキシコ以外では死者は出ていない。
2)メキシコでの感染経路は全く明らかにされていない。
  (豚との接触や、人ー人の感染の経路も不明のままです)
3)過去の新型インフルエンザのパンデミックの特徴と今回のケースの類似点がある。
  (通常の冬期以外の流行、死者が乳幼児や高齢者といった免疫、体力の劣る弱者ではなく青壮年層である)
4)WHOがフェーズ4と判定した。
5)今のところタミフルに感受性のウイルスと考えられている。
6)警戒していた鳥インフルエンザのH5N1ではなく、H1N1型で、ワクチン開発までに数週間、量産までにはさらに数ヶ月かかると見込まれている。実際、今回の豚インフルエンザのワクチンと従来の人型インフルエンザのワクチンのどちらを優先開発、製造するか専門家間でも意見が分かれて、製造会社でも身動きが取れない状況である。
(もちろんワクチンは今から打ってもGWには間に合いません)
7)日本外務省はアメリカ合衆国への渡航禁止は勧告していない。(あくまで4/28現在)

不確実な情報
1)メキシコでの状況は氷山の一角で、メキシコ市内の医師からの情報として、「1病院で毎日3−4人のインフルエンザによる死者が続いている。実際の感染者数や死者数は報告を遥かに上回っている可能性が高い。」というものがある。
2)メキシコの医療状況は劣悪で、タミルルさえ十分に供給されていない。
3)WHOは世界不況に気配りして、純粋に感染症制御としての判断に曇りがある。

好ましい情報、不利な情報が混在しています。
また、公開されている情報は、遅れがあったり、操作されている可能性が否定できません。
状況は刻々と変わっているので、これから先収束するのか、パンデミックへ発展するのか、状況を見極める必要があります。
GW(5月の5連休頃)がどのような状況かは不明としか言えないと思います。
旅行中にも状況は変わると考えられるので、情報収集を十分行ってください。

また、飛沫核感染ですので、感染してから自己責任を果たすのは事実上不可能です。

予防策は、
1)流行地を避ける。
2)人ごみを避ける。
3)マスクを鼻から覆ってきちんとかける。
4)うがい、手洗いの徹底。
5)無理をせず(日程など)、休養、睡眠、栄養を十分に取る。
になると思われます。

渡航後、発熱や咳、呼吸困難などの症状が見られたら、出歩かず、保健所や医療機関に相談することが重要です。
その際直接受診するより、まずは電話で相談することがよいでしょう。
無理して満員電車に乗って出勤したりしないようにしてください。
感染が疑われると、疑いが完全に晴れるか、接触から10日程度経過するまで隔離されます(フェーズ4の場合)。

十分に気をつけて、旅行が楽しめるよう、ご自身で判断されることが大切と思います。