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国策捜査関連


この10年の間に、日本がすっかりロシア、中国さながらの

メディアと検察が結託した警察国家のようになってしまった、

この事実をちゃんと知らねばならないという思いからだが、



鈴木宗男事件、耐震偽装事件、ライブドア事件とともに、

国策捜査国策逮捕という表現が適切かもしれない)の

代表的な事件とされている植草一秀事件について、

ご本人が書かれている

「知られざる真実 −拘留地にて−」 を

まさに今、読んでいる。



そしてこの本もまた、佐藤優の「国家の罠」や、

藤田東吾「月に響く笛 −耐震偽装 −」と同様に、

無実の罪で、国家権力によってつぶされた人間の、

真実の叫びというものが、描かれている名著であり、



なかなか読もうと思っても、

ついついページごとに立ち止まり、考えさせられてしまって前に進めない。



植草一秀さんは、今はテレビからは姿を消しているが、

ブログの言論界では、「知られざる真実」を運営する

代表的なオピニオンリーダーであり、

今回の小沢事件における国策捜査についても、

さすが一流の視点での、おかしさを徹底的に糾弾をしてくれている。



この既得権益構造を、

政官業にメディアと、アメリカが絡んだ悪徳ペンタゴン 構造と名づけ、

この権力構造が、いかに戦後50年以上たって腐敗し、

今の日本を滅ぼしている原因になっているかということを、

一般の人にもわかりやすく説明をしてくれているのである。



で、この本について書く前に、

まず、彼が表舞台から消えていったきっかけである

一連のちかん事件であるが、

これは冤罪である可能性が高い、

いや、むしろ国家権力によるねつ造事件という可能性が高い、

ということを書いておきたい。



植草一秀氏が、国家権力に狙われた背景としては、

りそなの国有化問題をめぐるその批判的なテレビでの言動が、

インテリジェンスの対象とされたといわれているが、



まず、2004年の品川事件での手鏡で、

女子高生のスカートをのぞいたとされる

ぞくに言う「ミラーマン事件」であるが、



あの事件に関しては、最初から国家権力により、

警察をつかって狙われたねつ造事件である可能性が高いわけだ。

もちろん、本人がその当日の内容を克明に書いているわけだが、

しかし、客観的に見ても、これは警察の捜査、検察の起訴が、

もうめちゃくちゃだなと思うところが多い。



つまり、植草氏は、その日は、

横浜の中田市長の後援会でのゲスト講演を頼まれて、

横浜のシェラトンホテルにいっていて、

で、当然、彼はテレビ出演も多いし、このように講演も多いので、

人前で話をする以上、

手かがみは身だしなみチェックのために普通にもっているわけだ。



後援会の後、横浜駅の商業施設で、子供へのプレゼントを

買おうと物色していると不審な三人の男たちに気がついた。



途中、やはり東京に戻ってから、プレゼントを買おうと思い、

電車に乗ろうと、駅にいってもやっぱり尾行をされていると。

で、品川駅について、

エスカレーターにのっていたら、

いきなり警察がやってきて逮捕されたということになった。



で、本人としてはまったくの晴天の霹靂である。



そして、取り調べへと連れて行かれるわけだが、

そこで、警察としては、

現場を警察官が見ていたから否認しても100%裁判では負けるぞ、

家族の生活をめちゃくちゃにされるぞ、マスコミにもばらすぞ、

と脅されるわけである。



そこで司法取引として、認める方向にしたが、

結局、「否認した」となぜかされて、起訴までいってしまう。

その起訴という方向も、東京地検が最初から起訴する、

と決めていたそうだ。



で、ここでまためちゃくちゃな話なのだが、

この被害者といわれている女子高生の母親が、

被害届も出していないし、裁判とかやめてくれ、

といっているのに、起訴までいっていたり、



また、この三人組(実は警察)の一人は、

海部総理大臣のSP経験者なのだ。つまりインテリジェンス側の人物。



要するに、最初から植草氏は、国家権力から、

罪をでっちあげられて、逮捕される筋書きになっていた。

で、いつものとおり、おきまりのパターンで、

検察リーク、警察リークで、嘘情報をマスコミに垂れ流される。



たとえば、過去7回チカン事件を起こしている女性セブンの記事は、

でたらめそのものである(後に裁判で和解判決)。



このようにして、私たち国民は、国家権力と結託した御用マスコミから、

偽情報を垂れ流され、マインドコントロールされてしまう。



また、2006年の泥酔して、チカンをおかしたとされた事件、

このときに植草氏は絶望し、自殺未遂をおこしているが、



このケースは、国家権力に狙われたというよりも、

むしろ、チカン事件に巻き込まれたというほうが正しいかもしれない。

そのことにマスコミがのっかってまた大騒ぎして、

常習犯というイメージをつくり出すと。



このとき、植草氏は仕事先との飲みがあり、

勧められるままに、紹興酒を20−30杯飲んで、

記憶がもうろうとした状態にある。

彼は、もちろんそのチカン行為に対しては、否定をしているのだが、



だが、それにしてもおかしいのは、

このあとの警察の取り調べである、

泥酔状態にあるのに、「歩行正常」という調書にサインをみとめたり、

また、チカンを一貫して否認しているのに、

認めたかいてある調書にサインを無理やりにさせようとしたり、

ましてや、他にもかってに、調書をねつ造しまくっているのである。

(そのことも当の警察が裁判で認めている)



もうこの国の捜査には、人権も何もないのかと、

国家権力が邪魔だと思う人間がいれば、

警察をつかって罪をでっちあげて逮捕もできるし、

マスコミをつかって、社会的に抹殺をすることもできるわけである。



仮に100歩譲って、植草氏がチカン行為を繰り返していたとしよう、

だとしても、この警察や、検察の取り調べの無茶苦茶さ、そしてねつ造。

それから国家権力による意図的な逮捕、

ということは、断じて許されるべき話ではないのである。



さて、個人的な反省として。



私もこの事件が起こったときは、インターネット上にアップしていた

ミラーマン」のフラッシュがあまりにも面白かったので、

かなり面白がっていた。



それに、植草氏が逮捕されたとしても、

私自身、テレビで植草氏が語っていること自体を真剣にきくこともなく、

また彼の東京大卒、スタンフォード大の客員教授という華麗な経歴から、



「ああ、また学歴好きのマスコミがかつぎだした御用エコノミストだろ」



ぐらいにしか思っていなかった。

なので、そもそもテレビにでてくるコメンテーターを、

全体的に毛嫌いしていたところがあるから、



植草氏がどういう人で、どんな本を書いているのか、

そういうことをちゃんと知ろうとも知らないままに、



こうやって逮捕されたこと自体に、

ああいうエリートな人だから、一種独特の性癖があるんだろうな、

くらいに思っていたのである。



しかし、それは大きな間違いだった。

彼は心から国を心配し、それゆえに、小泉・竹中路線に対しても、

真っ向からその矛盾点をテレビで指摘した。

それゆえに、国家権力から狙われることになったのである。